だるま親方 レポート

VOL.1 ランカーの方向性  6月21日掲載

トップウォータプラグ

 数あるバスルアーの中で、このプラグ程の変種は珍しい。なぜか?それはルアーは効率よく魚を釣るために改良、進化してきたがトップウォータプラグは唯一魚が釣れなくても許されるルアーだからだ。
 海外の釣り雑誌を読んでみると(私の頭は日本語以外しゃべれん構造になっている。読むというより写真を見るのだが)ランカー用のトーナメントルアーとして、ザラスプーク、ポップRがよく登場する。
 日本の過密な釣り場でそのまま通用するとは考えにくいが少なくとも本場アメリカではトップを実戦的に使う時代があったということだ。日本ではどうだろう?
 少なくとも、数年前の琵琶湖なら、トップウォータプラグでも時期によってはいい釣りができた。しかし今の現状はどうか?完全にコレクターアイテム?一匹の出会いを大切に、効率を求める釣りは漁師、釣りにくい物で釣ってこそ価値がある。
 冗談じゃない。これは私の意見だがたくさん釣れた方が愉しい。トップの一匹より、ジグヘッドの10匹のほうが遥かに愉しい。
 私がルアーを始めた20年前はトップ全盛で、『潜るルアーは馬鹿でもできる。ワームは餌釣りで道徳から外れている。グラスのスローテーパロッド以外は竿じゃない。』こんな風潮だった。今思い起こせば全てビジネスに結び付くが、この当時はトップの横でスピナーで入れ食いになろうものなら説教を始める人間が結構いた。
 そして、いつのまにかトップウォータは釣れなくても許されるルアーになった。こんなルアーをメーカーが本気で開発するだろうか?レッドペッパー、サミーの登場までは市場には能力の低い日本製ルアーが出回っていた。

 しかしトップウォータの能力が本当に低いわけではない。深く潜るルアーに比べれば開発が楽なために(浮いてりゃいい)レベルの低い商品が多く存在するが、初夏〜秋にかけてはライトリグでネチネチやっても反応がないのに、トップならよく釣れるということがよく起こる。
 それに全くすれてない釣り場にいくと(今なら20で処女を探すより難しいが)一番よく反応したのがトップだった。使える状況は極めて限られるが、状況にはまるとよく釣れランカーも反応するルアーである。(ショートリップミノーで50アップを釣ったことはないが、トップではある。使用時間は1/100以下なのに)
 フライをやったことのある人なら経験があるだろうが、魚がやたら水面を意識する時期がある。トップはそんな時に使ってこそ効果がある。(暖かい季節の静かな朝、夕とかただし水深の浅いところ)

ポッパー
 POP-Xの登場で他のルアーが霞んでしまうが、POP-Xには水を抜く穴がついており、今までの製品に比べ音は静かである。そしてよく釣れる。
 ポッパーは音をだすルアーのイメージがあるが、一時、下顎を削り音を絞るチューンが流行った。ただ、付け加えると、音を消すのも勿論有効だが、最大のキモはシブキを飛ばすことだ、ノーマルのポッパーでシブキを飛ばすくらいしゃくると大きく異常な音が出てしまうが、下顎を削ると音を逃がすことができる。
 シャワーを巻いて魚を集める漁があるようにバスも音よりもシブキによく反応する。

ペンシル
 大きい魚に効果がある。ペンシルを綺麗に動かせて一人前というイメージがあるが、綺麗に動かないのはあなたが悪いのではない。ルアーがシビアーすぎるのだ。
 浮力の極端に強いバルサ、スギ等で出来ているペンシルはグラスのベナベナの竿でないと動かしにくい。カーボンロッドではすぐに飛跳ねてしまう。
 しかし、ペンシルは水に絡まして引いてこなくてはいけない。(飛ぶとダメなのだ)だから専用ロッドでないと動かせないのはその程度の物ということだ。
 比重が重い物の方がよく釣れるし、すれ気味の所でも強い(完全にすれるとトップには反応しない)水に絡んで泳ぐためにサイズが大きいルアーでも全体が見えにくいのか十分勝負になる。

スイッシャー、バズベイト
 ある意味もっとも勝負が早い、へたに小技を駆使するよりも巻くだけにしてバイトに集中した方がいいと思う。

 最後にバスは回りの水と一緒に獲物を吸い込む魚である。水面では空気が混じるために、よく捕食に失敗する。そのために、ひと呼吸おいてから合わすことをお勧めする。
 水面を割ってバスが飛び出す、信じられない人もいるだろうが、今からの時期は、楽に釣れるルアーの一つなので試してみてはどうだろう。

だるま親方


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