だるま親方 レポート

VOL.20 ランカーの方向性  7月17日掲載

クランクベイト

 最も基本的なバスプラグであるにもかかわらず、高性能なシャッド、ミノーにおされて近年あまり注目されていない。しかし、初めての釣場でどこに魚がいるか判らない時にはなくてはならないルアーである。今回はクランクベイトについて解説したいと思う。

 昔話で申し訳ないが、シーバスフィッシングが始まった20年ぐらい前はクランクベイトでスズキは釣れないと言われていた。なぜか?、フグに似ているからだ。
 しかし、これは俗説だった。私自信フグそっくりのビッグオー、モデルAでスズキを釣ったことがある。いつも思うが魚はある意味プラグを完全に見破っている部分はあると思う。リアルカラー、ゴーストアユのミノーは人間の目にはリアルに映る。しかし、本物の鮎は黒に近い色をしており、魚は水の中でゆっくり観察した場合、ミノーと本物の鮎を見間違うことはない。現にアユボールに反応している魚の群れにリアルミノーを投げてもまず釣れない。餌に狂ってハイになっているにもかかわらずだ。
 しかしミノープラグ、ゴーストアユカラーは効果がある。結局、鮎に似ているというのも少しはあるが、魚が好む特徴(人間には極めて解りにくく、気ずきにくい部分で)を備えているのだろう。たぶん、日本のベイトフィッシュは細長いので、細長い物は食べ慣れているので見慣れない物でも違和感がないのだろう。 ゴーストアユカラーは本物の鮎には少ししか似てないが、自然な色合いで驚異が少ない。魚のリアルと人間のリアルは、かなり食い違う部分があると思う。

 では最初の話に戻るが、クランクベイトがフグに似ていると言うのは人間が思っているだけで、スズキにはあまり関係無かった。激しく尻を振りながら、すさまじい音をだして泳ぐフグはいない。現にスズキもスレてきたら、スピナーベイトとラバージグのスイミングが一番効果がある。クランクベイトはインパクトの強さ故に効果があのだろう。
 魚も全く見慣れない物が来たので思わず攻撃をしかけたのだろう。それゆえ後が続きにくいが。

 では、どのような時に使うか?どんな条件の時にもクランクベイトにガツーンとくる魚はいる。何をやっても駄目な時クランクベイトで広範囲を流していく、現にエキストラタフな時にはこれぐらいしかできない。
 あるいは、いかにも魚がいそうなストラクチャーに一発必中で送り込む、インパクトが強い故に2回目は無いが。
 クランクベイトは、その振動が魚を引き付ける、動かないのは論外だ。シャッド、ミノーは動きが悪い物のほうが、かえって自然で場合によっては効果があることもある。しかし、クランクベイトは振動で魚を誘うために、動きが死ぬと即釣れなくなる。そのためにコシが抜けたような竿を使うことをお勧めする。これを前方に45度向けたような状態でリーリングすると最大限効果を発揮する。(棒引きの場合)
 ちなみに、日本製のクランクベイトは動きが細かく、アメリカ製は動きが粗い物が多い。魚はスレてくるほど細かい動きにしか反応しなくなる。スレぎみの釣場で広範囲をチェックするときは日本製に部がある。
 じゃあ動きの粗いアメリカ製は駄目なのか?そんなことはない、動きが粗いためにゆっくり引いてもちゃんと泳ぐ、しかも、堅い竿、太いラインで引いてもちゃんと泳ぐために、カバーの中に放りこむことが出来る。
 動きが粗いのはデメリットにはならない。ただ、バランスが甘い物が多く、深く潜ると、微妙にそれて最大水深に届かない物がある。誤魔化しだか、クランクベイトを深く潜らせるコツはリーリング時に止めればいい。
 止めることによって水圧に負けて、右なり、左なりに傾いたクランクベイトが補正されて、しばらくはまた真っ直ぐ泳ぐ。
 他にもアイを曲げるというテクニックもある、今江克隆氏のビデオで琵琶湖大橋でクランクベイトで爆釣するシーンがある、ナレーションでは「細いラインで深く潜らした」と言っていたが、本当のシークレットはアイを大橋のほうに曲げていたんだろう。この時のルアーはディープタイプだった。
 ディープタイプは長いリップ故に回避に優れるために、障害物回りでも使えるが、何もないところでポンプリトリーブ、あるいはジャークしても効果がある。以外かもしれないが、ミノー、シャッドに使えるテクニックをクランクベイトで使うと、それらのルアーに反応しない魚が釣れることがある。
 日本ではクランクベイトはニーリングが王道になってしまったが、それ以外でも十分魅力的なのでもう一度見直してはどうだろう?

だるま親方


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