だるま親方 レポート

VOL.22 ランカーの方向性  8月2日掲載

スプリットショット

 近年ダウンショットの大流行でダウンショットに魚が完全にスレてしまい、ここ近年復活の兆しを見せている。かってはライトリグの王道だったスプリットショットを解説したいと思う。

 のっけからで大変恐縮だが、ランカーに有効な釣と効果的ではない釣に分類すれば、あまり効果的な方法ではないだろう。しかし、エキストラタフでも強く、一年中使え、そしてランカーではないが、ある程度のサイズまでなら、口を使わすことが出来る頼りになるリグなので覚えておいて損はないはずである。

 まずこのリグを使用する上で最も重要なのは竿である。スレた魚を相手にするために、食い込みのいい竿が絶対に必要だ。バスはスレると違和感を感じれば、すぐにワームを吐き出してしまう。
 ダウンショットは上に竿、下にシンカーがついているために、食い込みがほんの少しだが悪い。スプリットは前にしかシンカーがついていない、その点エキストラタフに強いリグといえるだろう。
 シンカーは軽くすればいいが、竿がガチガチに堅いとバスは違和感を感じて即吐き出してしまう。柔らかい竿なら食い込んでいくので柔らかい竿を使うのが望ましい。
 高級ロッドの中には高弾性のものが多くこのような竿を使用すると一撃で吐かれてしまう。じゃあ安物のほうがいいか?半分は当たっている。
 やすい竿は低弾性なので食い込みは最高にいい。しかし、ガイドは最悪で、バットの弱い物が多い。ライトラインで、岩場でビッグフィッシュを掛けたことのある人なら解ると思うが、バスはびっくりすると頭から物に突っ込む習性がある、だから頭が生傷だらけで上がってくる。岩場、藻に突っ込まれたら最悪の事態になるので、ここ一番のバットの強さは絶対に必要だ、例えライトラインを使用していてもだ。
 最近の竿は先が柔らかく食い込みがよく、バットの強い物が市販されている。(シマノのシャウラ、ロビンソンのビゴット、メガバスのデストロイヤー、ダイワのソリッドモデル、ダイコーのカリスマ等)本気でスプリットを始めるなら、そのような竿を選べばいいだろう。(注、これ以外にもいい竿はたくさんある)

 そして、サオがでればついでにリールだが、今のリールは安物でも、十分なドラッグ性能を持っている、国産、一万円以上なら十分だ。それ以上は作りが極めて丁寧なので、自分の好きな物を買えばいいと思う。(重さとか、スプール径とか)
 それよりも、フックが見落とされがちだが何よりも需要で、リグ自体軽いので、フックは、かなりの重量物になってしまう。そのために、バス用の市販品ではなく、エサ釣で使うような針を直結びしたほうが、効果はかなり変わってくる、グラブには、チヌ針、ひっかかる所はカイズ、スライダー等はオキアミチヌ等を使うといいだろう。

 そして、ライン、個人的にはナイロンが好きだが、・・・・・・。ナイロンはとても使いやすい。フロロはスレに強く、極端に細い糸でもある程度しゃんとしている。比重が重いために深場ではフロロだろう。
 しかし、ナイロンの使いやすさ、浮力、スプールへのなじみよさ等で、個人的には、一号より太い糸はナイロンを使い、それ以下はフロロを使っている。お金に余裕があるなら、スタークU等の高級ハリスを巻けばいい、腰がないとか、スレに弱いなどの弱点をあるていどカバーしてくれるはずだ。

 では具体的なアクションを説明する、リグ自体が自然なので、よほどおかしな動かしかた以外は大外れということはない。
 スライダーワームの前5cmに重りをかむ、そして重りを餌に見立て、餌を追う子魚のように動かす。着水したら自然にフォールさせ、あたりがなければ、ロッドを、『いち、に、さん』と立て、12時の位置で止めてラインをみる。あたりは殆どこの時にラインに出るので注意してみておく。
 また、シェイキングしながら、巻いてくるのも効果がある方法だ。これでも釣れなければ、スライダーにオキアミチヌ等の超軽量フックをセットしスライダーが超スローに沈むような極小かみつぶし重りを打つ。ラインは浮力があるナイロンを使用する。これでラインを張るとサスペンドプラグに匹敵するほどスローに漂わすことができる。
 同じスローでもサスペンドプラグよりも自然に見えるためクリアーの日中にバスに時間をかけて観察されても偽物とはばれない。むしろ時間をかけるほどいい。スピニングタックルでは重りとラインの関係が最重要である。

 では、ベイトタックルのスプリットショット。ベイトでスプリットというと、怪訝な顔を皆さんするだろうが、立木、ヘビーカバー、岩場、ならどうするか?6ポンドラインはあまりにも恐ろしい。
 しかし、ベイトタックル、4号ラインならお構いなしにできるはずだ。4号ラインなので浮力は抜群でかなり重い重りでもゆっくり沈む。ただ、フックは細く軽い針だと一撃で折れるので、使えるフックは限られてしまう。
 ひっかかる所では普通のストレートフックで構わない。しかし、あまりひっかからない所では、チヌ針を使う、チヌは最大60cmにもなり、強烈に引き、そして餌を食うのは繊細だ。高級なチヌ針なら掛かりは最高で、ヘビーアクションの竿でムチャクチャに引っ張ってもまず折れない。ただ、掛かりが最高にいいぶんゴミを拾いやすいので、そんな時はカイズ針を使用する。
 ただベイトタックルはスプリットショットに関してはスピニングほどは子技がきかないことを付け加えておく。

 スプリットショットは時間がかかり、かったるいが、そこに魚がいると確信が持てる時は強烈な武器になるはずである。

だるま親方


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