だるま親方 レポート

VOL.26 ランカーの方向性  8月30日掲載

岸釣実戦テクニック 第3回

  別に非難するわけではないが、雑誌等でトップクラスのバスプロが岸釣をすることがある。彼らの技術は確かに疑いようのないくらいすばらしいが高性能なバスボートを持っている人間が高いところから降りてきてやった・・・・・と言う感じもいなめない。(単なるヒガミだが)
 乱暴な意見で非常に申し訳ないが、岸とボートでは縦と横の違いがあるために、アクションは同じルアーでも少々異なる。今回は全く語られることのなかった岸からのルアーの動かしかたについて書いてみたいと思う。

 まず、頭に入れないといけないのは岸は横の釣りである。そのためにスピナーベイトなどを引いてくる時は一定層を確実に引ける。しかし横の釣り故に上には持ち上げに悔い、ヘビーラバージグ等は大遠投して着底したあとは、ボートのようにリズミカルに跳ねさすのは不可能だ。
 岸からヘビーラバージグ、ヘビーテキサス使う時は、ずる引きか、着底する前にアクションを始めないと話にならない。特にラバージグはフック剥き出しのために引っ掛かりやすい。スイミングはとても効果があるが、ヘビーラバージグは岸からはスイミングぐらいしか使えないという本音もある。
 それとスピナーベイト、ラバージグはランカーにとても効果があるが、ランカーはこの手のサイズの大きいルアーをあまり長距離追いかけない、そのため岸近くまで丁寧にアクションさせるのは時間の無駄である、むしろある程度巻いたら、さっさと回収した方がいい、情けないがこの時にランカーがヒットする確率が高いのだ。
 イメージ的には興味を持って追いかけてきて、どうしようか迷っているときにリールを素早く巻くと逃避行動に見えるからだろう。
 10g程度のラバージグならある程度アクションにメリハリをつけられる。ただし、長めの竿を使用する。なぜか?ボートは足場がありアングラーは立っている。しかし岸は腰まで立ちこんでいる、この差を埋めるために長い竿を使うのだ。
 それと一番大事なアクションだが結局ルアーフィッシングの旨さとは、ラインの張りと弛みをいかに旨く使うかではなかろうか?ただ、す〜と引けば、そのまま動くが、張った瞬間弛めるとラインに衝撃が走りルアーが踊る、岸からラバージグを使う場合、スレた魚を相手にすることになるので、人がやらない動きで魚にアピールして効果的に釣っていく。
 それと長い竿のメリットはもう一つある。例えば、最初はロッドを寝かせておき、横でアクションさせる、ころあいを見計らっていきなり縦にはじく。動きが横から縦に急速に変わるために、スレたビッグフィッシュも騙されてしまう。これは、短い竿では縦と横の差が出にくい。
 それと、岸は手前にくるほど引っ掛かるので障害物回避にも長い竿は有効である。岸からのストロングな釣りでは長い竿が有利である。

 ・・・・・がしかし、冬などのストロングパターン(浜からは冬、ストロングパターンぐらいしか出来ない)ならともかく、いつもこんなルアーに反応してくれるほど琵琶湖は甘くない。
 当然ライトリグの登場となってしまう。これには6フィート程度の竿を使いたい、もっと短い方が細かいアクションが出来るだろうが、ある程度の遠投性を求めると、6フィートぐらいだろう。これだと、ある程度のスモールプラグ、軽量ジグヘッドもなんなく使えるだろう。ただし、ラインは不利を承知で太いのを巻きたい。
 以前、田中康博氏に「なぜ太いラインは釣れないか?」という話を聞いた。氏と、あるトップバスプロが言うには、魚はラインを認識している。しかし高等生物じゃないので、見えていること自体は関係無い。しかし太いラインの水を切る音は最悪らしい。
 この意見には私も賛成である。海釣をしたことのある人なら解ると思うが、から合わせをしまくって水を切ると、すぐにアタリが止まってしまう。チヌ等の用心深い魚は特にそうだ。(サバなんかは関係無いが)
 他に会社の先輩でソルトの達人がいるが、鰯の群れにルアーを投げた時に、フロロ、ナイロンなら魚は散らないが、PEを投げると、すぐに糸をよけて溝が出来るそうだ。全ての魚はラインを認識している。しかし、それでも太いラインを巻くのだ。
 なぜか?ボートは障害物に突っ込まれても真上にいけばアングラーと魚の間に障害物はない。しかし岸は、沖でヒットしたら障害物の中を次々と引いてくるはめになる。しかも、こちらから近寄ることは出来ない。早い話が太いラインしか使えないのだ。
 ついでに言えば、横の釣のためにラインが擦れる率はボートの比ではない。唯一のメリットは浮力でルアーがゆっくり沈むぐらいだ。
 しかし、やや不自然に沈むので、なるべくデメリットの目立たないアクションを心がけるしかない。例えばラインを張ったカーブフォールとか、超軽量ルアーでフリーフォールをすると、ラインのカールですごく不自然に落ちるのでお勧め出来ない。

 最後の手段でスピニングタックルも視野に入れる、ただしあまりに障害物の多いところでは使えないが・・・・。ドラッグ性能をフルに使えるために、6ポンドラインでも50アップと余裕で渡り合える。
 ラインが細いために小さいルアーでも自然に動く、ただ所詮糸が細いために最後の手段と割り切りたい、いくら高性能なドラッグでもラインに傷があればあっさり切れてしまう。それとスピニングリールはリールではアクションがつけにくい。
 偏見だがスピニングリールで使うサイズのルアーにはランカーがヒットしにくいとも思う。ボートからなら、ここぞ!というピンスポットに放りこめるが、岸からはどちらかというと、おおざっぱな釣りなので、ある程度数釣用と割り切って使っている。

 最後にタックルだが、先週タックルは個人の好みと書いたが私の意見をあえて言わせてもらうと、デストロイヤー、コンバットなどは確かに優れた竿だが、専門的な竿が多く荷物をあまり持てない岸には向かない気がする。ボートならバッチリだろうが、どちらかというと国産大手のメーカーに広い融通性を持っている竿が多いような感じもするがどうだろう。(シャウラとかバトラー)
 リールはもう、値段とデザインの競争と言って言いぐらい高性能だ。まあ結局は個人の好みなので好きなのを使えばいいんじゃなかろうか。

だるま親方


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