だるま親方 レポート

VOL.28 ランカーの方向性  9月13日掲載

テキサスリグ

 ワーミンングの中で一番基本的なリグである。シンプルであるが水深を問わずに使え、応用範囲はとても広い。しかし、奥の深さは全てのルアーの中でもトップクラスであると思う。今回はマスターするのが、とても難しいテキサスリグについて書きたいと思う。

 まず、テキサスリグの特徴とはなんだろう?無音である。シンプルで自然な外見。障害物の中にためらわずに放りこめる。そして、フッキングすれば頑丈なシングルフックであるためにバレにくい。これらのことから、完全なランカー対応のルアーと思われる。しかしここに落とし穴がある。
 通常ランカーはシャローにいる奴の方が釣りやすい。しかし極端なシャローにいるランカーは釣りやすいが、そんな時期は限られてしまう。大体水深3〜5mの魚を狙うことになる。
 しかし、ある程度水深が在るところでは、やる気のある奴は中層にいることが多い。水面近くにボーと浮いている奴は何をやっても食わないし、底近くの奴は極めて釣り難い(全く釣れなくはないが・・・・)。

 具体的にいうと、底近くの奴ほど水圧によるプレッシャーがかかるので、長い距離ルアーを追いかけない。シャローでは皆ストラクチャーに正確なキャストを心がけるが、ディープでは大雑把になっていないか?本当はディープほどピンスポットを釣らなければいけない。
 テキサスリグのボトムずる引きは確かに効果があるが、あまり深場でやると魚と遭遇出来る可能性は下がる。このテクニックは地形が完全に頭に入っている場所でないと、ものすごく効率の悪い釣りになってしまう。
 となれば中層となってしまうが、テキサスリグは皆、底を意識して使う。このことが、ランカー用ルアーとして、ラバージグに一歩譲る結果となっていると思う。
 しかし、使い方を工夫すれば、ラバージグに不可能なことも出来るので、ラバージグ、テキサスリグ、スピナーベイトを使い分ければ、ストロングパターンは完結すると思うので、ぜひマスターしたい。つけ加えて言うと、ラバージグ、テキサスリグ、スピナーベイトは釣れる魚が微妙に異なる、クロスする部分もあるが、ひっぱれる魚は違ってくる。
 ラバージグで釣れて、テキサスでは釣れない魚、そしてその逆もある。ようは使い分ければいいわけだ。最高に難しいリグだがやってみる価値は十分にある。

 では、まずテキサスリグに出来て、ラバージグに出来ないこととはなんだろう?ラバージグはブラシガードを付ければかなりの障害物回避能力を持つ、しかし藻の上などでは、ガードが完ぺきでないために、絶えずラインを張っていないといけない。ラインを緩めると藻穴にグサっと刺さってしまい釣にならない。しかしテキサスリグは完ぺきなガード性能を持つためにラインを緩めて藻の上に乗せることも出来、更にシャクリながら藻の上を引くと藻が揺れて、ルアー以外の部分で魚に大きくアピール出来る。

 当たり前だがテキサスリグの最大のメリットはガード性能の高さにある。そして、障害物に当たるということは、自然なアクションを勝手にルアーがしてくれる。これは人間がロッドでおこなう動きよりも遥かに魅力的に写るようだ。これはボトムのずる引きにも有効だ。

 ボトムは、細かい藻など変化に富んでおりラバージグなら底を引くとあっというまにゴミを拾ってしまうが、テキサスリグならそんな心配はない。ただし、ボトムのずる引きは2m以下のシャローでやってこそ効果を発揮する。バスは目が上に付いているために、ある程度の水深があると、自分の遊泳層より、やや上目を意識する傾向がある。しかし2m以下のシャローでは水深が浅いために全域意識するようだ。
 だから、深場では見つかりにくく、追いかけない、底を這う生物も活発に追いかける。この時にシンカーはヘビーシンカーを使うのがコツである。なぜなら、底を這う本物の生物は少々の湖流や水の動きで流されたりしないために、重い方がより本物らしく見える。では3〜5mのミドルレンジではどうか?
 ボトムずる引き、確かに悪くはない。しかし地形のわからない場所でやると、時間が物凄くかかり、ヘタをすると魚と遭遇する前に一日が終わってしまうだろう。では、どうするか?

 まず、軽いシンカーを付けて、中層を棒引き、或いは、スプリットショットのようにロッドで自然に引いてくる。この時、魚のいる層を外すと釣果が全く違ってくるので、シンカーの重さをいろいろと替えてみる。
 今度はいる層が解れば、引くスピードによって釣果が全く違ってくる。この組み合わせの複雑さがテキサスリグの難易度を上げている。しかしこれが出来ないと能力の半分も引き出せないので根気よく試すしかない。
 他にはヘビーシンカーをつけて中層で踊らせ、反射で釣るやり方もある。この時、ロッドをメリハリつけて立てていき、12時の位置で止めてカーブフォールさせる。
 メリハリつけた動きでアピールし、魚に見つけさせて追いかけさせる。アタリは底に着いた時か、着く寸前に出ることが多い。魚が獲物を追い詰めた為だろう。

 全てのルアーのアクションに言えるが、魚を引き寄せる、動きと食わす動きというのはあると思う。引き寄せる動きだけなら、魚は寄ってはくるが中々、口を使わない。しかし、そこで逃避行動やスキを見せた動き(袋小路に追い詰められる、あるいはバランスを崩す)をさせると思わず食いついてしまう。
 スレとビッグフィッシュはこの二つをバランスよく交ぜた動きをさせないと滅多に口を使わない。逆に全ての条件を満たしてやるとビッグフィッシュは完全に本物と思い込み簡単にはルアーを離さない。だから、即合わせをする必要は全くない。
 テキサスリグで即合わせをすると殆どがスッポ抜ける為に、魚が確実にルアーを食ったと確信してから合わすといい。

 このヘビーテキサスで踊らせるのは7、8mの深場で場所を特定しにくい時にも効果を発揮する。半端なスピードで引くよりハイピッチでキビキビ動かした方がビッグフィッシュにアピールするようだ。

 最後にテキサスリグのコツをまとめたいと思う。
 障害物が固いところでは(岩場など)シンカーの前にビーズをいれる。これは鉛だと柔らかいために岩にめり込んでしまうためだ。ビーズは固いので岩から力が逃げてくれる。予算があればタングステンシンカーを使うといい。高価だが小さく固いために岩場などでは文句のない動きをするので、ザップを使ってみたらいかがだろう。

 14gのヘビーシンカーを使う時は、10gの前に3・5gを足して使う。これは、シンカーに段を付けて、フレキシブルに動く方が、障害物のすり抜けがいいためだ。

 ストレートワームを使う時はストレートフックを使う。何回も書いたが、オフセットはアイがワームに対して真っ直ぐにストレートはアイが斜めにでる。底でワームをアクションさせる時、ストレートフックの方がワームが立ちやすいのでストレートフックを使用する。

 ざっとこんなところか、テキサスリグは私も頻繁に使うが完全にマスターしたとはとても言えない。だが、メリットは計り知れないので、これからも使い続けるつもりだ。
 さて、皆さんはテキサスリグをどんなふうに使っているんだろうか?

だるま親方


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