だるま親方 レポート |
VOL.29 ランカーの方向性 9月20日掲載
ナイトフィッシング
以前に岸釣り、最大のメリットは夜に釣れることだと書いた。今回は雑誌に全く語られることのない夜釣について書きたいと思う。
なぜ夜釣りについて語られることがないのか?答は釣雑誌は有名な実力派バスプロが記事を書いている。彼らはボートから釣りをするために当然夜は釣りが出来ない。だから夜釣りの記事はない。しかし私を含めた未熟なアングラーがランカーを釣ろうと思うと、どうしても夜が中心になってしまう。しかし夜釣は一般にかなり誤解されている部分もあると思うので今回も私なりの意見を述べたいと思う。
まず、バスは昼と夜にどちらに多く捕食するか?当然昼である。琵琶湖の場合、秋には無数の鮎が群れる。昼間、バスは鮎を追ってボイルする姿をいくらでも見つけられる。しかし夜はどうか?鮎は夜には、すごい浅瀬にいくらでも群れている。しかし夜に集団でボイルするバスを見たことがない。
ライトリグで数釣りするときはどうか?明るい日中はいくらでも釣れるが、夜はポツポツである。バスは視覚に頼る依存度がすごく大きい。これはクリアーな水域でカラーの差がモロに出ることでも明白だ。じゃあ視覚が悪い夜釣りなんて最悪じゃないか。・・・・と思うだろう。
視覚が悪くなるからこそ夜に釣る意味があるのだ。ルアーは所詮偽物である。鮎に狂ったようにボイルしているバスに超リアルな鮎ミノーを放りこんでも間違う馬鹿はいない。むしろ、近くにいくらでも本物がいるので、比較され不自然な部分がいっそう目立ってしまうだけだ。
バスは視覚が発達しているため思いのほか、不自然さを見抜く。超リアルなミノーは鮎に狂っているときよりも、鮎が少なくなり、おいしい餌がまだ忘れられないようなときに使うと、少々不自然な所があってもバイトしてくる。外見が魚っぽく単体で泳いでいれば比べる対象が無いためだ。
外見がリアルなルアーは視覚のいい日中に効果がある。まして岸付近はスレているために、この手のルアー以外は釣りに悔い。
だが、ランカーを釣ろうと思う場合、ある程度のサイズのルアーを使わないとチビがちょっかいを出してきたりする。しかし今の琵琶湖で50cmまで成長した魚はルアーをイヤというほど見てきただろうし、大きいルアーは動かすと荒が目立つために一撃で偽物と見破られてしまうだろう。
視覚の勝負になると日中はアングラーよりもバスに部がある。では夜ならどうか?
視覚に頼れないために、スピナーベイト、ビッグワーム等の大きなルアーを使っても偽物とばれない。大きいサイズのルア−は遠くからでもアピールする、しかも暗いために近ずかれても偽物とは解りに悔い、最後は口を使って確認するしかないのだ。
暗いとルアーのネガな部分を完全に消してくれる。バスは昼間の方がよく餌を追うだろうが、ルアーを見抜く確率も上がってしまう。だが夜は見抜く確率は著しく下がるだろう。
夜釣り最大のメリットはランカーがヒットする確率が飛躍的に上がることだ。
話は変わるが何かの本で『バスに学習能力はない。・・・・・』と書いてあった。だが経験上バスには学習能力、しかも集団学習能力があると思う。
こんな経験はないだろうか?ある時新製品のルアーが発売され、どこへ行っても圧倒的に良く釣れた。しかし、ある時期を境に全く反応しなくなり、ほとんど使ったことのない全く別のエリアに行っても、明らかに反応が悪くなり、年を越しても、バスの世代が変わっても、全盛期の爆発力はなく、ただのぼちぼち釣れるルアーになってしまった。
バスという魚にいつまでも同じ手は通用しない。爆発力のあったルアーほど駄目になった時の反動は大きく、駄目になったルアーは世代が変わっても復活することはない。
だが、基本的な昔からあるルアーはいつまでも強い。大爆発ということは少ないがランカーを狙う上ではそれで十分なのだ。
いつまでも効果があるルアーとは何か?“無音のルアー”である。無音であるために音による学習は出来ない。しかもこれらを夜に使用すると、視覚による確認も困難になる。
だが、夜とはいえ、大雑把な動きと水を押す波動は伝わる。これらのルアーは動きが自然であり、しかも魚がよってきて食いつく時に魚に当たる水の動きが生き物に近いと思われる。
ランカーに効果があるルアーでスピナーベイト、ラバージグ、テキサスリグはこれらの条件を完全に満たしているのだろう。(スピナーベイトは水中では振動はするが、音は出さない、エレキのペラは回っているが静かに回り、水をかく)
上記3点のルアーは爆釣タイプではないが、これら3点が夜でも通用しない湖はない。つまり夜は視覚的にネガな部分を消し、ランカーに対応するルアーの長所を引き延ばすのだ。
さしものランカーも視覚的にも不確実で、音も出さず、しかも動きが自然なら騙されてしまうだろう。これらは魚は簡単には学習出来ない。
さて、釣りで一番大事なものは時合だが、明るい間なら朝と夕方とはっきりと解る時間がある。しかし、昼間の明るい間でも釣れる時間と厳しい時間があるように夜にも時合というものは存在する。
昼間ライトリグで爆発し、夕方大爆発、暗くなった瞬間沈黙した。・・・・・という経験は、誰でもしたことがあるだろう。だらだら暗くなっても釣れ続く場合もあるが、晴れた日の大爆発は暗くなった瞬間終わる時が多い。
逆に曇、雨の日などは暗くなっても、だらだら釣れる。昼と夜の区別がつきにくいためだ。そのかわり夕方、大爆発ということは少ない。
経験上、暗くなってから2時間後ぐらいに最初の時合が来るようだ。夜の釣りは釣れ始まるまでは沈黙し釣れ始まるとよく釣れるが、いつまでも続かないことが多い。・・・・・ということは時合を外すと、よく釣れるはずの日なのにボーズで帰るはめになりかねない。
この時合というのは場所に通いある程度傾向を掴むしかない。人家の明かりがあるところでは、人間の光が消えてからでないと魚が動かない傾向もある。逆に満月の夜などは、すごく明るいがビッグフィッシュがよく釣れる。バスも魚であるために月の影響は少なからずうけるようだ。
最後にルアーについてだが、昼は視覚的に自然なルアー、(スライダー、ミノー)夜は水を押すルアー(グラブ、スピナーベイト)というのが一つの目安だ。しかし相手は生き物、これ以外もいろいろあるので、みなさんも試してみてはいかがだろう?
だるま親方