だるま親方 レポート

VOL.34 ランカーの方向性  10月25日掲載

様々な要素3

 今年の5月、北の産卵場でネスト狙いではないが、ネストを作りに控えている大型魚を狙って、ボートからでは攻めに悔い所を岸から狙い、いいサイズが結構釣れた。バスは葦ぎわ、木の下などのキャストしにくい所にピッタリと付いている。いいサイズがヒットしたのを見て沖からボートが、すぐ近くに寄って来た。いい気分ではなかったが内心、笑ってしまった。
 私が立っている所は地面が固いが、そのボートが陣取った葦のど真ん中は底が泥だったのだ。そのアングラーは見るからに、おいしそうな所にルアーを放りこみ最後はなぜ釣れないか不思議そうに帰っていった。水深60cmじゃ魚深も使えまい。実際に地面を歩いてみないと解らないこともあるのだ。

 一般にバスは砂地やハードボトムを好むと言われる。間違いではない。しかし何時でもそうか?そんなに単純な魚なら魚を見失ってしまうことは無いはずだ。その時バスがどこを好むかは時と場合と水温に関係が深いと思われる。

 まず、水泳場のような本当の砂浜はどうだろう。はっきり言って、冬場は全く釣りにならにことが多い。砂漠と同じで遮るものが何もないために水温が一気に下がってしまう。ましてや水泳場は水の綺麗なクリアー水が多い。ランカーにとって身を隠せるものは何もないのだ。強姦魔が何もないグランドのど真ん中で獲物を襲えないのと同じである。
 しかし、夏はいい釣場になることが多い。砂地は夏は涼しく、水泳客で砂は舞いあげられ、その他、ジェット、サーフィン諸々で釣人の入り込む隙はなく守られている。バスは無害な(釣人以外)人間はうるさくともあまり恐れない。水泳場の朝一番はおいしい釣場になる。

 では、どんな砂地ならいいのか?

 表現しにくいが、やや土っぽく、小石が混じっているようなところ。水泳場のような本当の砂地では藻が生えない。砂地でも藻が生息できるような、しっかりとした地面の固いところ、そのような所をバスは好む。生物の密度を比較すれば、一目瞭然だ。
 藻だらけでは、水泳場は経営が成り立たず、おかしな生物が沢山いれば客は嫌がってしまう。

 では泥はどうか?

 極端に寒くなった時は、バスの避難場所になる、冬に超シャローで釣れるランカーは底が泥地であることが多い。ある種の魚は極端に水温が下がると普段は絶対にしないが泥に潜って仮死状態になって生き延びようとするそうだ。しかし緊急避難的な場所であると思われる。バスはやはり、地面が固い方が好みのようだ。
 地形の要素は生える草、水温、産卵に密接に関係してくる。鯉、ブルーギル等の悪条件に強い魚以外はバス以外のベイトも影響を受けてしまう。バスは肉食獣であるために子魚の動きは絶対に無視出来ない。バスは長い間、子魚を補食して生きてきたために、好む条件は、その湖に住むベイトと同じである。
 バスは光を嫌い物陰にいると言うが、別に光を嫌ってはいない。現に明るい太陽のしたで泳ぐランカーはいくらでも確認出来る。物陰にいる魚は獲物を狙って待ち伏せしているのだ。だから釣りやすい。しかし太陽の下にいる見えている魚は釣れない。なぜならルアーが諸バレで、ついでにヤル気がないからだ。
 真夏のクリアーで魚を釣ろうとする場合、桟橋なんかのシェードを狙うだろう。それはそれで正解と思う。しかし、ひととおり桟橋を撃ってしまったらどうする?バスは陰につく、何も桟橋の下だけが陰ではない。ある程度の深さは光が届きにくく陰となる。その光が届く切れ目の深さを発見したら、その水深を集中的に狙えばいい。目に見えるストラクチャーより遥かにプレッシャーの低い陰を狙える。どうせなら、プレッシャーの低い魚を狙った方が楽である。

 いい釣り場はアングラーが集中するが、ハイプレッシャーの中でライトリグ合戦になってしまうことが多い。ランカーは最初の10分が勝負なので、このような状況では中々釣れない。
 しかし、バカだと思うだろうが、こんな場所に深夜を過ぎて行ってみると、大きい魚が釣れたりする。天の邪鬼ではないが、人と違うことをすると、人と違う結果がでる。人と同じでは同じようにしか釣れない。
 以前、某釣り場の地元の人間にヒットルアーとダメなルアーを聞いた。その釣り場ではラバージグが全く駄目だそうだ。それを聞きラバージグで押し通すとランカーが釣れた。地元で駄目の烙印を押されたルアーは、そこでは誰も使っていない。逆もまた真なり、皆さんも少し、ひねくれてみてはいかがかな?

だるま親方


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