だるま親方 レポート

VOL.39 ランカーの方向性  1月5日掲載

バスフィッシングの疑問

 私はルアーフィッシングを初めて20年になる。長いことやってきたから、うまいというものでは決してない。2年でエキスパートの人間もおれば、私のように20年でアマチュアの腕でしかない人間もいる。
 しかし、琵琶湖の全盛期を経験し(誰でも50アップが釣れた)長いこと釣りをしていると、感覚的に感じてくるものがある。正直、やればやるほど釣りが分からなくなってきた。今回は私が感じた疑問を書いていきます。答を知っている方はぜひ教えてください。

★パターンが存在する。
 当たり前だ馬鹿、と言われそうだがバスも生き物、個体差があって当然だ。しかしブラックバスという魚はある特定の動きにサイズの同じ個体が一斉に反応するような行動を見せる。
 特定のルアーでは入れ食いで釣れて、それ以外はサッパリということが多い。これは釣場がスレてくるほどシビアに差が出る。ラインの太さ、シンカーの重さの、ほんの僅かな差でも釣果が10倍以上差がつくことも珍しくはない。しかし、このパターンという奴がクセ物で、30cmと50アップが釣れるパターンは異なるということだ。
 夏場の朝、トップ、ミノーで30cmが入れ食いで釣れているので、これで正解かと思ってしまうが、ランカーはその真下の深場にいることが多い。だから完全な間違い以外はすべて正解かもしれない。
 今まで多様な釣り方をやってきたが、正解を見つけるよりも混乱してばかりである。

★ヒットルアー、ヒット水深がある。
 釣り雑誌を読んでいると場所のしぼりかた、水温、天候で使うべきルアーが細かく書いてある。しかし同じようなワーム、プラグでも釣果に圧倒的な差が現れる。
 極端な話、水深をシビアに合わさなければいけない時があるが、はまりルアーを持っている場合、少々水深がはずれていても、ガンガン釣れるし、それ以外のルアーは適正な水深に合わせているのにサッパリということもある。おそらくルアーの微妙な動きの差で反応するのだろうが・・・・・・。
 しかし、その逆に水深さえ合わせれば、どんなゴミルアーでもガンガン釣れるが、水深をはずすと全然ダメというときのある。
 海の魚の場合、潮の流れとタナが重要な要素であるが、バスの場合さらに適正なルアー選択という要素が絡んでくるので、益々ややこしくなっている。20年釣りをやってきたが、いまだに確認する方法は全部投げて反応を見るしかない。早い話、魚に教えてもらうしか方法がないのだ。
 最後に付け加えると、水深は上の方向に大きく外しても許される場合が多いが、下方向にはシビアになる感じがするがどうだろう?

★ライブベイトが究極ではない。
 チヌ釣りで蟹のワーム、鮎釣りでオトリルアーなどがあるが、イマイチメジャーではない。なぜか?どちらの釣りもやったことがあるが、蟹ワームもオトリルアーも効果は本物の活き餌にくらべてかなり落ちる。・・・・・・というより、これらのルアーで魚を釣った人を見たことがない。
 サビキはよく釣れるが下のアミカゴにオキアミをいれてバラ巻くために魚が狂ってしまうんだろう。オキアミをバラ巻かないと効果は半減するだろう。
 バスの場合どうか?10cmぐらいの数釣りなら海老が究極だろうが25cm以上になると必ずしもそうではない。私は活き餌釣りもしたことがあるが、よく釣れる時もあるが、ルアーに数でもアッサリ負けてしまうときがある。
 ブラックバスの場合、活き餌もパターンの一つでしかない、今まで殆どの釣りをしてきたが、こんな魚はバスだけである。活き餌でしか釣れないバスもいるが、ルアーでしか釣れないバスも確実に存在する。

★機嫌がすぐかわる。
 こんな経験はないだろうか?ある特定のルアーで爆発し、次の日、天候も変わっておらず、水温も変わっておらず、昨日のように魚も目で確認できるほどいる。湖は全く安定している。しかし、昨日入れぐったルアーを投げると魚が全く反応しない。スレたのか?いやアタリさえない。
 しかし、別のルアーでは爆発した。状況が全く変わった様子はないのに一日でヒットルアーが変わってしまうことがある。その日のパターンと言われればそれまでだが、あまりの変化に人間が面食らってしまう。経験上こんなことは何度かあった。
 その日のパターンは、その日だけのパターンでしかない。なぜか一回夜を通すと朝からは、またリセットされる。そんな馬鹿なと思うだろうが、経験上確かにある。

★子孫に記憶が伝授される。
 書いている自分が馬鹿らしくなるが、結果そうとしか思えない。20年前と今のプラグを比べてみるとハッキリとした特徴がある。それは最新プラグの殆どは動きが細かくなっているのだ。
 20年前は製造技術が今ほどではないので、ラパラを除いては殆どのプラグは動きが荒かった。細かい動きほど高度な成型技術がいる。量産しようとすれば当然だ。
 現在のルアーでもコストダウンで生産拠点を日本から海外に移すと動きが荒くなり釣れなくなったルアーも多い。細かい動きほど荒が目立ちにくいからだ。
 しかし、現在の若い魚は20年前のヒットルアーなど見たことがないはずだ。誰も使っているはずがないので試してみたが、かすりもしなかった。
 爆発的にヒットしたルアー及びテクニックは一度腐ると二度と復活しない。それなりに釣れるがそれなりでしかない。
 みんなが忘れさった頃に、もう一度試すが決して爆発はしない。今の若い魚は見たことがないはずのルアーなのにだ。だからベテランバサーのタックルボックスはプラグというゴミがどんどん増える。

 最後に感じるのは人間が経験で魚のパターンを読めるのはどんなベテランでも20パーセントぐらいではないだろうか?100パーセント読めれば、何時も両手に50アップのはずである。しかし、そんな奴は世界中一人もいない。
 結局どんなに経験をつんでも釣りから手探りの部分はなくならないと思う。
 昔、3月ごろ、回りは暖かいのに冬より遥かに釣れないのは、なぜか分からなかった。それは外気が暖かくても雪解け水が入り、湖は冬よりも冷たくなっていた。それも急激にだ。しかし現在は理由が分かる。
 こうして少しずつ学んでいくしかないんじゃないだろうか。一生かかっても100パーセントは無理だろうが。

だるま親方


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