だるま親方 レポート

VOL.42 ランカーの方向性  2月21日掲載

ファイティング

  バスフィッシングで最もエキサイティングな瞬間だ。バスは首を振り、そしてジャンプするので釣味はかなりいい。
 だが全身の力が抜けるバラシ。針外れ、ライン切れ等のリスクも絶えず付きまとう。今回は魚が減った為に特に重要な要素になったバラシ難いファイティングについて考えたいと思う。

 まず、バスは釣味がいいと書いた。皆さんも当然経験があるだろうが、バスはヒットすると必ず首を振って暴れる。それが独特の引き味になるために他の魚には無い愉しさがあると思う。
 鯉は重くなって何時までも弱らないし、ブルーギルはチヌのように体を寝かせるようにファイトする。ライギョは派手にジャンプして見る者を圧倒する。だが、バスのこの首を振るというやつが癖者でルアーが左右に振られるために当然バラシの確率は一番高くなる。
 ではどうしたらバラシ難いか?魚のサイズ、使用タックルによって条件が変わるので、いちがいには言えないが下記に自分の場合を書いてみたい。

 まずベイトタックルの場合
 ランカーを狙うなら当然太いライン、パワーの優るベイトタックルは外せない。だがバラシというだけならベイトタックルは気を付けて使わないと直ぐにバレてしまう。なぜか?
 プラグを使用する場合、最近の国産プラグの針先は非常に鋭い。刺さりすぎて恐いほどだ。しかし針先は鋭いが最悪のトリプルフックが数多く出回っている。針先だけが鋭いだけなら大歓迎だが、フック全体がナイフのように鋭いフックが多い。
 こんな針で薄皮に掛かり、パワーのあるベイトタックルでガンガン引っ張ると皮が裂けてしまう。それとフックの形状が悪い物があり、バーブ(かえし)から、すぐにベンド(カーブの部分)が始まっている物は特にバラシが多い。バーブとベンドの間に少しストレートのある針の方がバラシ難いと思う。
 グラスロッドを使用するのも有りだろうが、グラスロッドは重く感度も悪い。クランクベイトを使用する場合動きが自然になるが、他に融通が利かないので岸釣り派にはお勧め出来ない。
 御粗末なトリプルフックは、さっさとがまかつ、オーナー製の針に交換することで、かなりのミスを回避出来る。

 ではシングルフックの場合はどうだろう?
 シングルフックは伸ばされない限り簡単には外れない。アングラーにとっては有利である。しかし意外な落とし穴がある。
 ラバージグ等を使う場合、パワーのある棒の様な竿を使う。こんな竿は使い方を間違えればトラブルだらけになる。
 堅い竿を使う場合、相手がランカーなら問題があるとすれば、ファイティングの最中は諸にパワー勝負になり、フッキングした穴が広がり、ラインを緩めるとぽろっと外れるぐらいだ。しかし、ガチガチの竿で対象魚がアベレージサイズの場合どうなるか?
 ランカーならフッキングした時に重みで針が貫通するが、小さい魚は軽いので貫通せずにルアーと一緒に前に来てしまい、掛かりがムチャクチャ浅い時が多い。現在トーナメント指向で鉄棒のような竿が出回っているが使い方を間違えると災難になりかねない。
 それとベイトタックルの場合は投げやすい竿はバラシ難い竿であることが多い。投げやすい竿はしなやかにカーブを描くためだ。
 最後にランカーとファイティングする時は、決してラインを緩めず、魚の顔を正面に向けたまま寄せてくると比較的楽だが反転されると釣人が不利になってしまう。反転されると魚は本来の遊泳力を取り戻すためだ。

 スピニングタックルはどうか?
 様々なリスクを追うが、現在の釣場は細い糸で繊細な釣をしないと魚が取れないことが多い。ランカーもスピニングタックルで狙うことになる。
 スピニングタックルは比較的小さい針を使うために針外れは比較的少ないが、ラインブレイクの危険は付きまとう。現在のリールはドラッグ性能がいいために、かなりの細いラインが使用できるが・・・・・。
 バスは堅い竿でフルパワーを掛ければ必死に暴れるが、柔らかい竿でドラッグを使えば重みはあるが、そんなには暴れない。しかし、所詮細い糸なので慎重に行わないと一発で切れてしまう。時間をかけて、じっくり上げるしかない。
 あまり言われることはないが、長い竿はラインにやさしい。鯉釣で、ハリス1・5号と言えば、手竿の場合、それなりのヘビーラインだ。3〜5mの長さがあるので、竿が吸収してくれるのだ。
 だが、バスで6ポンドと言えばそれなりに神経を使うし、実際雑に使えばすぐ切れてしまう。バスロッドも長い竿ほど糸にかかる負担は少ない。ただ操作性は悪くなるが。
 バスは歯がある魚なので、糸に傷が付きやすい。カイズ針のように先がねむっている針は、口の入り口付近で掛かることが多いので、ラインに掛かる負担は少しはマシになる。

 現在魚が減り、バラさないことが特に重要になった。ファイティングだけは魚相手に練習するしかないので大事に行いたい。

だるま親方


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