だるま親方 レポート

VOL.48 ランカーの方向性  5月18日掲載

匂い2(味覚)

 人間は雑食性の動物である。その気になれば生物なら殆どが食料になるだろう。極端な話をすると、ゴキブリでも調理方法があり、実際に昔、食料が乏しくなる航海で船員の間では食べられていたようだ。
 では現代人はゴキブリを食うか?少なくとも私は金を貰っても絶対に嫌である。生理的に受け付けないし、それ以上に旨くないだろう。人間にとって味覚は重要な要素だ。では魚はどのように利用しているのか?。
 今回は味覚について考えを述べたいと思う。

 生物には味覚が備わる。これは人間の場合、甘いものなどは生存に必要な糖分、逆に苦い味は腐った物などに多いためにあまり好まれない。雑食性は生存に最も有利で、何でも食べられるために、食料は豊富にある。
 だが見境なく何でも食べてしまうと、命に関わる事態になるので、味覚により判断する。
 ではバスの場合はどうだろう?。

 バスは肉食魚だが、小さいころは動物性プランクトン、成長すると、甲殻類、魚類、昆虫、小動物、あらゆるものが餌になる。
 その点バスは鮎などに比べたら、餌の種類が豊富なために生存には有利である。(食料に困らない)
 経験上の意見だが、バスは自然界の餌に対して味覚上の好き嫌いは無く、最も捕食が容易で数が多い物を好むようだ。早い話が怠け者と言える。(琵琶湖の場合、鮎と海老か)
 だが味つきルアーやフォーミュラーを付けたワームでは意外に好みの差が出るようで、同じようなワームでも長時間くわえているものや、一瞬で吐き出される物はある、この差はなんなのか?

 魚の集魚剤は、大体強烈な臭いがし、人間にはとんでもない悪臭にしか思えない。これは魚の鼻の構造が人間とは異なるためで、必ずしも味覚が劣るというわけではない。魚の好みは、普段捕食している餌に大きく影響を受けるようだ。(養殖魚などは、普段与えられている餌に最も強く反応する)
 それ以外の人工的に作られた物には好みの差があるのかもしれない。

 だが、ここで一つ疑問がおきる。別に批判するわけではないが、大きな工場の敷地内、あるいは直ぐ側のドブ川の様なところに大きな鯉をいくつも発見出来ることがある。これは工場が汚い廃液や汚染物を流していないとアピールするために、自らが放流したものであることが多い。
 鯉の臭覚は、人間の100倍、髭で味を感じる機能も持っている。廃液の出口には、人間の臭覚でも感じるほどの異臭がするが、鯉はそこから逃げていない。鼻の構造、味覚が違うとはいえ、あきらかに害になる物質からは逃げない。
 このことから、魚は人間のように味と臭いだけで食物の旨い、まずいを判断するとも言い切れない。
 だから、バスのルアーをくわえている時間の長さは、匂い、味の他に私の経験上ルアーの固さも影響するようだ。

 プラグやスピナーベイトのようなハードルアーでもバスが5秒以上もルアーをゴツゴツ噛み続けることもあるし、竿が柔らかかったら、むしろ即アワセよりもシッカリ掛かることもあるぐらいだ。
 逆にスーパーソフト等の極端に柔らかいワームなどでも、一瞬で吐かれてしまうこともある。

 あくまで個人の考えだが、ワームは少し固めで弾力があるぐらいの方が、良いような気がする。ハードルアーでも柔らかい竿を使用すると、竿の柔らかさで弾力があるように魚に錯覚させるような気がするのだが。
 バスがどの程度、味を感じるかは、日本では他の魚ほど研究がされていない、バスには舌があるが、他の魚と同じく軟骨の一種のようで、人間の舌ほどの能力はなさそうだ。(他の魚の舌のように軟骨の一種で動かすことが出来ないかどうかは私は知らない、知っている方がいれば御教授下さい)
 魚種というものは、生活環境により大きく体の機能が異なる。髭で味覚を感じる魚もいるが、たいていは、臭いを感じるのは、鼻の鼻腔だ。様は鼻腔に大量の水を通さないと水の中では臭いに対して鋭い感覚は持ちえない。 (バスの鼻腔は小さいと思う)

 マグロ等の高速で絶えず泳ぎ続ける魚は問題無い。しかし、鯉のような普段あまり動かない魚は、鼻腔の中に繊毛という細胞があり、それで停止していても活発に水を入れ換える。
 そのために鯉は高速で泳ぐわけでもないのに鋭い臭覚を持っている。
 ではバスはどうか?残念ながら、日本でバスはあまり研究されていないので、資料がない。

 今回はおもしろくない話をクドクド書いたが結局何が言いたいかと言うと、金になる魚は研究が進む、マグロ類は特にそうだ。
 だがバスはどうだろう?確かに別の意味で金になるが、一部メーカは根拠に乏しい主張や、都合のいい実験結果だけでユーザーを誤魔化そうとしているように感じることがある。非常に残念なことだが釣りを20年やってきて釣り人として、それは感じる。非常に残念なことではあるが。

だるま親方


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