だるま親方 レポート

VOL.50 ランカーの方向性  6月13日掲載

協力 N.K

 深海魚には特徴のある外見の魚が多い。深海は人間の目には真っ暗に映るが、そこに住む魚は水圧の他に暗闇にも適用した目を持っているので必ずしも暗闇で何も見えないということはない。
 他の特徴としては、ユーリファリンクスのような殆ど口だけのような魚もいるし、キャスモドンのように腹にデカイ胃袋が付いていて、自分より大きな魚を食べると胃袋が伸びる魚もいる。これらの魚は悪食で、共食いも平気で行う。

 ではなぜ、このような奇怪な外見を持っているのか?最大の理由は捕食するためである。
 海の水温は南極も赤道も陸ほどは極端な差はない。しかし水深は、どこへ行っても、深くなるほど太陽が届かず、生物は育めない。(普通の生物は光が届かない所では生活出来ない)
 水深の深い、生物の少ないところでは、確実に食い貯めするしか生き残れないからだ。今回は生物の餌場、シャローと光の話をしたいと思う。

 バスはシャローの魚である。暗闇に適用した目を持つ生物は、光を当てると目が光る。(猫とか、魚なら赤目というところか)しかしバスの目は光らない。暗闇では間違いをおこして突飛なルアーに食いつくが、クリアーの日中なら、活き餌、ルアーなら自然で小さいルアーが有利である。バスは明るい所では視覚に頼っている。だから光も別に嫌いではないはずだ。

 バスが光を嫌うと言う人は多いが、はっきりとした証拠はない。多くの魚は、幼魚の時には光に誘因され、成長と共に光を避ける性質が見られるが、バスの成魚が日向で、ボ〜っと浮いているのは、よく見かける。
 このような魚はやる気が全くなく、いかなるベテランバサーでも釣り上げるのは困難だ。反対に物陰に付いている奴は、比較的簡単に釣り上げられる。ハンターが獲物を待ち伏せするというところか。

 バスは光を避けているのではなく、物陰を狩に使っているのだ。陰に付いている奴ほど釣りやすく、人間が光を嫌うと勘違いしているんだろう。

 余談だが、やる気のある奴ほど障害物にタイトに付き、奥へ入ってしまうために、釣りやすい(魚の目の前にルアーがいけば)魚なのにルアーがアプローチ出来ずに釣れないという矛盾がおこる。(超ヘビーカバーの魚は全く警戒心がないが、ルアーのアプローチでアングラーが負けてしまう)
 光には特徴があり、海が青く見えるのは、水が青い色を通し安い性質を持っているからだ。反対に赤は最初に消える色で、少し深くなっただけで緑がかったように見えてしまう。
 そのために、色盲の魚でも青は回りに溶けこみ、警戒心を起こさせに悔いカラーと言えるが、バスの好みは必ずしも青で無いような気がする。これは琵琶湖で普段捕食している餌が青ではないからだろう。(それとバスのいる水深は水が青く見えるほど深くはない)

 カラーはクリアーな浅い所ほどシビアに差が出る。バスは水深に対する対応が下手な魚で、身体機能が下がる冬などは、わずか5mの水深から釣り上げてもひっくり返る魚もいる。
 目の機能、浮き袋、そして何より魚食魚の為に深場には対応できないようだ。水深20m以上の深場で釣れるバスもいるが、濁った水ではそんなには潜れない。何よりも酸素を供給する植物、餌となる生物は深くなるほど数が減るので、シャローだけで生活している魚はいるが、超ディープだけで生活出来るバスはいない。

 ましてランカーほど体重を維持するために沢山の餌が必要になる。(光が無い場所は餌も無い)
 経験から言うが、ランカーを狙う場合、ディープの釣りは日中によく、シャローは朝、夕の方がいい気がする。日中によく釣れる深場は、なぜか朝、夕は魚がいないことが多い。おそらく朝夕は捕食活動で出かけ、日中に休みに戻ってくるんだろうが・・。
 ただディープの釣りはベテランだけのものだろう。深場の魚はやる気がないし、深場ほどやる気がなくてもタイトにつく、シャローは大雑把にキャストしても許されるが、ディープはシビアな上に使用出来るルアーが限られる。
 ディープはランカーの避難場所だろうが、魚が居ても極めて釣りに悔いだろう。 標準的なアングラーなら全てのルアーが使え、餌場でもあるシャローのほうが確率は上がる。光が届かず、視覚が誤魔化せる夜なら、もっといいだろう。

 バスは首を振りながらでも目は一点を凝視する機能をもっているので、高速で泳ごうが、ジャンプして首を振ろうが視界は確保されている。しかも水面の屈折で意外な所まで見えている。バスはどうだか知らないが、魚によっては目に偏向機能を持つ魚までいる。
 しかし目の機能が低下するのは光の量だ。しかもバスは物陰にいると見境がなく攻撃してくる傾向がある。このことを考えて釣りをすると、また視点が変わるかもしれない。

 トーナメンターに聞いたが、確実に釣るためには、どんな状態だろうが魚が居るディープの変化を釣っていくのが堅い方法だそうだ。現在のスレた釣り場は、魚がどんどん沖に行くのでシャローは大バクチになるらしい。しかし下調べには物凄い時間が掛かる。だが、なぜか深場にはちょい大物はいるが、大物は居ないそうだ。(いても釣れない)
 私個人の意見だがランカーは最強の個体であるために、水圧の掛かる深場にわざわざいる必要はなく、餌が豊富にあり、酸素を供給出来る場所を独占出来るので、シャローの一等場所に居ると思う。(当然光が届く範囲)
 なぜなら自分が持っている機能(色彩、視覚、調整がへたな浮き袋)を全て使えるからだ。
 今回最後のまとめは、私の経験だけで、根拠は何もない、でも分かり次第また報告したいと思う。

だるま親方


だるま親方コーナーに戻る

連絡先:harenao@hotmail.com