だるま親方 レポート

VOL.55 ランカーの方向性  9月12日掲載

素材

 某湖最大のバスはエリで釣れた。様々な思惑があり事実は公表されていないようだが数年前までの寛大な時代はともかく、そこから生活の糧を得る職業漁師の場所は、なるべくそっとしておいた方がいいと思う。
(かくいう私も現在はやってないがエリで釣ったことは数多くある、絶対やるなと言うのではなく、職業漁師とぶつかった場合は優先権は向こうにあると思う、エリの中を釣るのは論外だが)

 話をもとに戻すとカゴやエリの障害物を利用して魚を寄せる方法は古くからあり、有効な方法であるということだ。エリの一番奥の魚が溜まる所を金庫と言い、金庫にくるまでの通路の形状で漁獲量が違うという。(ノウハウがあり簡単には教えてくれないが・・・)
 もう一つ、カゴを沈める魚法もあるが、カゴの形、大きさで漁獲量が大きく差がでるが、おもしろいことに、カゴの素材を、金属、プラスチック、竹、木で作り分けると、素材ごとに入る魚が違うという。今回は素材について考えてみたいと思う。

 ルアーは偽物である。プラグを粉々に砕いて、破片のプラスチックや木で魚は釣れるわけがない。
 では海老の物切りならどうだるう?いくらかは釣れるはずである。生き餌はどんなに砕いても本物というところか。だが本来魚の生活域に居ない生物の物切りでも好みの差は出る。
 ニジマスは刺身が効果があるし、海に牛や豚は居ないのに、鮫は肉に異常に反応する。バスも同じで、普段食べている鮎の物切りより、淡水くるま海老(ブラックタイガー)の方が反応が良かった。生物素材は原型をとどめなくとも効果は残る。しかし物切りではなく完全体なら反応は鮎の方が良かった。逃避行動によるものだろうが興味深い結果と言える。

 素材は職業漁師の間では、かなり重要な要素で漁師が作る餌木は形状もさることながら材料選びも神経を尖らせる。木はそれぞれに浮力、匂い、木目が違うが、漁師は木目を重要視するようだ。なぜだか教えてくれないが。

 さてバスの場合は主役はやはりプラグだろう。
 サスペンドプラグは状況がハマレば圧倒的な効果を見せる。ただ浮遊しているにもかかわらずだ。だがこの状況でワームをサスペンドチューンした場合、ワームのほうが生物らしく、しなやかに動くのにサスペンドプラグに勝てない時がある。(もちろん逆の場合もあるが)
 経験を積んだアングラーならハマッタ時のプラグの恐ろしさを身にしみて判っているはずだ。これも素材の差か?
 しかしワームは物切りにして、浮き釣りをするとバスは釣れることがある。ワームは酢酸ビニールが素材だが、より生物に近い素材だからだろうか?だが物切りでも良く釣れるワームと反応が鈍いワームにはっきり差が出る。良く釣れるワームがあり、アングラー自信がリグやアクションだと自己満足している場合があるが、単にその時の素材がバスの指向にあっただけかもしれない。

 先日良く釣れる匂い付ワームを教えてもらい、実際に良く釣れた。その袋の中にあまり成績の良くないワームを詰め込んでおき匂いを移すとスカワームが爆釣ワームになった。最初はルアーの形状と動きで魚が反応したと思っていたのだが・・・・典型的な思い違いだった。
 プラグの素材は色々ある。昔ルアーを自分で作っていた時、スレてくるほど、堅く、密度の濃い(浮力の少ない)素材の方が反応が良かった(気がする)。また塗装しないで木目を見せた場合、木目がはっきり見えた方が反応が良かった。(気がする)

 実際にルアーは思い込みの部分もあるし、釣れる理由を追求しても魚ではないのだから100%はわからない。
 よく釣れるプラグでも、そのまま大きさを変えたり、潜行深度を変えると何かが失われる場合もあるし、よく釣れるワームがある時期を境に釣れなくなるのは素材が変わった場合が多い。特にカラーは同じ素材でも交ぜ物を交ぜるので固さとしなやかさが変わってしまう。どんなワームでも黒は脆く、柔らかい。
 人間には判らない、わずかな差。魚はわずかな差を見抜く、わずかな差で結果が大きく変わることもある。

だるま親方


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