西浅井町発!琵琶湖一周マナーアップ運動
『いままでの琵琶湖、これからの琵琶湖〜今私たちにできること〜』
【目的】 自然と地元住民と釣り人・レジャー客とが共存共栄に向けてのマナー向上をめざし、お互いの想いや意見を出し合える場所を提供する。
【日時】 平成13年7月15日日曜日 PM1:00受付開始
【場所】 西浅井町役場内 中央公民館3F文化小劇場
【主催】 西浅井町商工会青年部
【協賛】 西浅井町 西浅井町安全で快適な町づくり協議会
【特別協賛】 湖国21世紀記念事業協会
パネルディスカッション出場者
【コーディネーター】 石井晃(朝日新聞論説員)
【パネラー】 |
釣り雑誌(釣り人社)社長、Basser創刊者 |
鈴木康友 |
JB本部役員副ルール委員長、つり環境保全連盟役員副会長 |
鈴木靖彦 |
大津漁業協同組合所属 滋賀県漁業組合連合青年会副会長 |
鵜飼広之 |
地元菅浦漁師、滋賀県漁業組合連合青年会理事 |
高橋茂 |
滋賀県立大学環境課学部助教授、京都大学農学博士 |
沢田祐一 |
パネルディスカッションでの各パネラーの方からの意見
まず自己紹介当を兼ねてそれぞれの方より今日の琵琶湖、バスフィッシングにたいしての意見を発表。
◎鈴木康友さん
現在、関東の各湖、河川などではバスの個体数が減少傾向にあるという話ともに、バスフィッシングの楽しみについて。
◎鵜飼広之さん
琵琶湖南湖のエリでは獲れる魚の殆どが外来魚である。更には外来魚でもブルーギルの量はすごい。
◎鈴木靖彦さん
JBが発足から現在に至るまでの経緯の説明ならびに現在のJBの活動ならびにJBの目指すものを発表。
◎高橋茂さん
レジャーボートの遭難事故がある場合、忙しくてもボランティアで救助、捜索活動に出なくてはならないため、レジャーボートの遭難時に置ける対応を整備して欲しい。菅浦地区でのバスアングラーのマナーの悪さについて。
◎沢田祐一さん
バスは釣った後は食べるべきではないか?(キャッチ&イート)バスフィッシングによる経済効果は本当にあるのでしょうか?
コーディネーターの石井さんより論点を絞って意見を交わすよう提案があり以後、各論点に基づいて意見交換。
1.琵琶湖に何故バスがいるのか?
◎鈴木康友さん
1991年に外来魚の移植を規制する法律ができたがそれ以前よりバスは琵琶湖に生息した。霞ヶ浦でバスと生息域が同じであるワカサギが増えてきている事を例に挙げ(同時にバスが減少)、バスの食害によって絶滅に追いやる事は無い。
◎鵜飼広之さん
バスは魚種認定されていないし、バスの存在は違法である。(密放流の経緯の説明を求める)また、バスアングラーからの脅迫文を例に挙げる。
最近はスポーニング時期に一生懸命バスを釣っている人間までいてバスの虐待ではないのか?ただバスの駆除には役立っている。水中のゴミはいったいどうするのか?エリで釣りをする人間が未だにいるルールを必ず守って欲しい。(中にはJBプロもいる)
◎鈴木靖彦さん
スポーニング時期の釣りは私達はバスフィッシングの愛好家であり釣り自体を楽しんでいる。
エリなどの禁止区域で釣りをするなどマナーの悪いJBプロアングラーがいた場合には直ぐにエンジンに捲いてあるベルトのナンバーを連絡して欲しい。厳重処分の対象にします。
◎鈴木康友さん
魚種認定は内水面でしか行なえない。琵琶湖は内水面(海区)扱いでは無くどんな魚も魚種認定できない。また、雑魚釣りと言う扱いで一般的な河川では鯉や鮒などの魚種認定が行なわれていない魚の釣りが見とめられ入漁料を徴収している。
キャッチ&リリースはまた釣りたいと言う思いから行なっている。釣りはくまで遊びである。
◎沢田祐一さん
根本的にバスが琵琶湖に存在している事が間違っている。散々悪さをしているバスをリリースするのは間違っている。
◎鈴木康友さん
リリースについては釣り人のエゴ的な部分が多く他の釣りでも多く行なわれている。
◎沢田祐一さん
バスの存在はある程度の環境のベースが無ければならない。現在のような悪化した環境の中では、在来種に対する外来種(バスなど)の食害の影響は大きい。
◎鈴木康友さん
現在、関東の殆どの地域ではバスは減少している。日本で一番最初に芦ノ湖に持ち込まれたバスも殆ど死滅してしまい、現在日本にいるバスの殆どが戦後に持ちこまれたものである。そのバスも減少傾向である事を考えるとバスは日本の環境に適応できないのではないか?いずれ自然に消えてしまう生物ではないか?
◎沢田祐一さん
今の現状が間違っているのであり今後の話ではない。
2.果たしてバスフィッシングが子供の教育に本当に役立つのか?
◎石井晃さん
鮒釣りではダメなんでしょうか?バス釣りでなくてはならないのでしょうか?
◎鈴木靖彦さん
バス釣りだけに限ったものでは無く釣り全般が子供の教育に役立つと思う。また、ゲームの中だけでしか知らないバスフィッシングを実際に湖で体験する事は貴重な経験となる。
◎鈴木康友さん
今は身近に釣れる魚がバスしかいない。昔は鮒などが釣れたが今は違う。しかしワカサギが良く釣れる場所などでは子供達は喜んでワカサギを釣っている。
3.果たしてバスフィッシングがもたらす経済効果は?
◎高橋茂さん
バスアングラーが琵琶湖に来る事は百害あって一利無し。菅浦港などではバスアングラーのマナーが大変悪く困っている。プロの方などは良いかもしれないが素人の人などがマナー悪い。
◎鈴木靖彦さん
地元のガソリンスタンドやコンビニなどを利用する事で多少はご協力できるのでは?
◎沢田祐一さん
バスは生態系の頂点に立っている生物であり、今後コレだけの個体数が維持できるとは思えない。となると長期的に見た時にバスフィッシングは衰退して行くのではないか?となると経済効果も期待できない。
4.バスアングラーのマナー全般について。
◎鈴木靖彦さん
JBでは規則、罰則を厳しくしている。その他のアマチュアアングラーに関しては地道にマナー啓発活動を続けて行くしかないのではない。
◎鈴木康友さん
やはり大勢が集まるとマナーの悪い人は必ずいる。マナーアップ活動を続けて行くしかない。
◎沢田祐一さん
マナーの良い人間は結局釣り禁止エリアには来ない。また。湖底に引っかかったワームなどの目に見えない部分のゴミが問題である。
釣ったバスをリリースすること自体マナーが悪いと言えるのではないか?
◎鵜飼広之さん
注意をしても相手の人数が多いと特に言う事を聞かない。特に女性連れなど。また。湖底に引っかかったゴミが問題である。
◎高橋茂さん
マナーの悪い人間に注意しても全然言う事を聞かない。たまに逆切れされる場合もある。マナー啓発団体を作って活動を行なって欲しい。
5.ゾーニング(住み分け)は可能なのか?
◎高橋茂さん
釣りOKとなるとなにを行なっても良いと考える人が出るのでは?その点が心配。
◎鵜飼広之さん
琵琶湖全体で考えると無理ではないでしょうか?
◎沢田祐一さん
バスは散々悪さをしているのにそれを釣る場所を作るのはおかしい。
6.会場からの意見、要望
◎地元の大学生(バードウォッチング愛好家)
いままでの討論では結局何かこうしようと言うものが無い。そこで取り合えず琵琶湖に関わる人々(漁師さん、地元住民、バスアングラー、その他レジャー客など)の代表が集まってマナーを良くして行く為の会合を開いてはどうか?
いまのままでは何時までたっても意見が平行線のままでなにも良くならない。
なんとかそういったマナーに関する話し合いの場を作れないでしょうか?
以上、シンポジウムのレポートです。極力メモをとって議論の内容を正確に伝えるよう心がけたつもりですが、実際話しに聞き入ってしまいメモれていない部分も多くありますし、一部に間違いなどありるやも知れません。ご了承ください。またお気づきの点がありましたらご指摘ください。
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